設置の趣旨及び目的
人間はその生涯を通じて自分自身の内的成長と潜在的な可能性の実現をめざす存在です。近年、わが国では個性を重視する教育への変換など、人びとの価値観の多様化やそれに伴うさまざまな生き方の選択が可能な社会へと変化してきています。さらに高度情報社会への発展もめざましく、そうした社会構造の変化は同時に新たな社会的問題を生み出す一因にもなっています。個人を取り巻く環境に対していかに適応してゆくのか、あるいは個人の内的成長への道筋をどのように見出してゆくのかといった個人内外の課題に包括的に取り組むことが求められている現代といえます。
このような認識に立って、人間発達学専攻では幅広く豊かな人間観を土台とし、個人の発達に関わる諸問題に適切に対処できる高度に専門的な能力と技能を有する人材を育成することをめざしています。
また2010年度よりカリキュラムの改訂を実施しました。この改訂により、教育課程は、「発達学分野」、「臨床心理学分野」の2分野の構成となりました。資格取得に関しては、幼稚園教諭専修免許状、公認心理師受験資格、臨床心理士受験資格の取得が可能です。修了後の進路としては、医療・教育・福祉分野における臨床心理職、精神保健・矯正関係専門担当者、各種相談所の心理専門員、専門相談員、生涯学習関連専門教員などがあげられます。
研究内容
人間発達学専攻には、「発達学分野」、「臨床心理学分野」の2分野があり、それぞれ個別の分野で専門を深めることができます。
A
「発達学分野」は、心理学、教育学・保育学の視点から、人間の発達を中心的なテーマとして、学習および研究に取り組むことができます。それぞれの専門領域から、人間とその発達および文化的、教育的、社会的環境との相互作用への理解を深め、専門家としての知識や技術を学び、身につけることができます。受験科目は、心理学、教育学・保育学、芸術療法学となります。
B
「臨床心理学分野」は、心の専門家としての研究と同時に「公認心理師」および「臨床心理士」養成を目的とする分野です。国家資格である公認心理師試験の受験資格取得ができ、さらに臨床心理士受験資格取得のための「第1種指定大学院」として、心の理解、アセスメントや援助技法を演習や講義を通して学びます。また、実際の病院や学校現場での学外実習や本学付属の心理臨床相談室での実践の実習も充実しています。受験科目は、臨床心理学となります。
公認心理師の受験資格取得を希望される方は、事前に出身大学などで取得及び取得見込みの科目が公認心理師に必要な科目、もしくはその読替に適合しているかを確認してから出願をしてください。
修了の要件及び授与される学位
- 修了の要件
- 2年以上4年以内在学し、授業科目を18単位以上(臨床心理学分野を専攻する者は30単位以上)、専攻する分野の研究演習1科目2単位、専攻する分野の特別研究10単位を含む30単位以上(臨床心理学分野を専攻する者は42単位以上)を修得し、かつ修士論文または専攻が指定する特定の課題の研究成果の審査及び最終試験に合格した者には、修士の学位が授与されます。
- 授与される学位
- 修士(人間発達学)