薬用植物園の植物:秋

アケビ

アケビ

科名
アケビ科
学名
Akebia quinata Decne.
生薬名
木通(もくつう)
薬用部位
主要成分
トリテルペンサポニン
作用
利尿、消炎
用途
漢方(竜胆瀉肝湯)

写真の右側の口を開いた果実の中央、種の塊の周囲が甘くて食用になります。薬用部位はつる茎の部分。体内の水の循環を良くする利水薬として漢方薬に配合されます。花はサクラより先に咲き始め4月下旬まで見られます。(写真左:3月末の花)

ウコン(アキウコン)

ウコン(アキウコン)

科名
ショウガ科
学名
Curcuma longa L.
生薬名
鬱金(うこん)
薬用部位
根茎
主要成分
curcumin
作用
肝保護
用途
ターメリック、飲み過ぎの薬

9月下旬〜10月に穂状の花が付きます。黄色色素のクルクミンを多く含み、特に肝保護作用が強いとされています。英語でターメリックとよばれ、カレーの黄色のもとでもあります。

クコ

クコ

科名
ナス科
学名
Lycium chinense Mill.
生薬名
地骨皮(じこっぴ)、枸杞子(くこし)
薬用部位
根皮、果実
主要成分
作用
解熱(根皮)、滋養強壮(果実)
用途
清熱薬、漢方(清心蓮子飲)

花は9月〜10月にかけて咲きます。果実のクコシは中華料理のデザートの上によく乗っているのでおなじみと思います。その果実が滋養強壮の薬、根の皮は解熱薬として用いられます。

ゲンノショウコ

ゲンノショウコ

科名
フウロソウ科
学名
Geranium thunbergii Sieb. et Zucc.
生薬名
現の証拠(げんのしょうこ)
薬用部位
地上部
主要成分
タンニン
作用
止瀉、整腸
用途
下痢止め

花期は立秋の頃から10月ごろにかけて。葉の粉末や、濃く煎じた液はとてもよく効く下痢止めで、すぐに下痢が止まるので目の前にある証拠という意味です。効き目がわかりやすく、郊外の道端でもよく見られる身近な植物ということもあって、日本の3大民間薬の1つです。

サフラン

サフラン

科名
アヤメ科
学名
Crocus sativus L.
生薬名
サフラン
薬用部位
柱頭
主要成分
crocin
作用
鎮静、鎮痛、通経、駆瘀血
用途
婦人病薬、食用色素

11月ごろ、花が咲きます。花に3本ある雌しべが薬用となり、血行の改善を目的に特に女性の冷えや整理に関係するトラブルなどに使われます。一方、サフランライスの代表される高級食用黄色色素としても使われます。黄色色素成分はクチナシの果実の色素成分と同じ化合物です。

シソ

シソ

科名
シソ科
学名
Perilla frutescens Britt. var. crispa Decne.
生薬名
蘇葉(そよう)
薬用部位
主要成分
ペリラアルデヒド、アントシアニン類
作用
芳香健胃、理気
用途
漢方薬(香蘇散、半夏厚朴湯など)

花期は10月ごろ、シソ科の花の特徴である小さな唇状の花弁の花が付きます。生薬としては初夏に採集される赤紫蘇の葉を用います。独特の香りで精神状態を整える目的で漢方薬に配合されます。「大葉」の名前で売られている青ジソは薬用とはしません。(写真左:6月の葉の収穫期の様子・右:10月の花)

ステビア

ステビア

科名
キク科
学名
Stevia rebaudiana Hemsl.
生薬名
薬用部位
地上部
主要成分
stevioside
作用
用途
甘味料

花期は10月下旬ごろ、薬草園のシーズンの最後に咲きます。葉に含まれる甘味成分のステビオシドが砂糖の150〜200倍の甘さがあるので、天然甘味料として用いられます。実際に葉をひと噛みしただけで甘味が口に広がります。

ナツメ

ナツメ

科名
クロウメモドキ科
学名
Zizyphus jujuba Mill var. inermis Rehd
生薬名
大棗(たいそう)
薬用部位
果実
主要成分
作用
強壮
用途
漢方(葛根湯など)

秋に収穫される果実は食用にもなりますが、その果実を乾燥して強壮作用を目的に、あるいは漢方薬に配合される生薬同士の作用を調和させる役割を目的に、漢方薬に配合されます。花(写真左)は6月頃、直径5mmくらいの小さな花が咲きます。

ヤマトリカブト

ヤマトリカブト

科名
キンポウゲ科
学名
Aconitum japonicum Thunb. subsp. japonicum Makino
生薬名
附子(ぶし)、烏頭(うず)
薬用部位
塊根
主要成分
aconitin
作用
代謝改善、鎮痛、強心
用途
漢方(八味地黄丸、牛車腎気丸など)

塊状の根を薬用にします。猛毒のアコニチンを含みますが、熱処理をして減毒してから漢方薬に配合して用います。花期は9月上旬(写真右)。写真左は5月頃の若葉の時期のものです。ニリンソウの葉とよく似ていて誤食による中毒事故がしばしば起こります。

薬用植物園の植物

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