薬用植物園の植物:春

アミガサユリ

アミガサユリ

科名
ユリ科
学名
Fritillaria verticillata Willd. var. thunbergii Bak.
生薬名
貝母(ばいも)
薬用部位
鱗茎
主要成分
アルカロイド
作用
鎮咳、去痰
用途
漢方(清肺湯など)

春先、いち早く緑を繁らせ、3月中旬から花をつけます。傘状の花弁の内側に編んだような網目模様があるので、編笠百合。球根に当たる部分(鱗茎)が咳止めの薬になります。

アンズ

アンズ

科名
バラ科
学名
Prunus armeniaca L. var. ansu Maxim.
生薬名
杏仁(きょうにん)
薬用部位
種子
主要成分
amigdarin
作用
鎮咳
用途
漢方(麻杏甘石湯など)、キョウニン水

花期は3月中旬。サクラと同属の植物でよく似た花をつけます。種に含まれるアミグダリンに咳中枢を抑える作用があり、咳止めを目的に漢方薬に配合されたり、抽出液を杏仁水として用いたりします。杏仁豆腐の「杏仁」もこのアンズの種ですが、食用のものは中国南部など温暖な地域で収穫されたもので、薬効成分が少ない甜杏仁とよばれるものが原料になります。

ウメ

ウメ

科名
バラ科
学名
Prunus mume Sieb. et Zucc.
生薬名
烏梅(うばい)
薬用部位
果実
主要成分
有機酸類
作用
抗菌、解熱、鎮咳
用途

早春の2月〜3月が花期です。サクラ、アンズ、モモはすべてバラ科プルヌス属でお互いよく似た花をつけます。果実は乾燥させると黒くなるので、生薬の名前が「烏梅」となります。

オウレン

オウレン

科名
キンポウゲ科
学名
Coptis japonica Makino
生薬名
黄蓮(おうれん)
薬用部位
根茎
主要成分
berberine
作用
苦味健胃
用途
漢方(黄蓮解毒湯)

林の下草のように直射日光の少ない場所に育ち、3月上旬に花が咲きます。黄色色素で苦味の強いベルベリンという成分を含み、苦味健胃薬として漢方薬や食あたりに用いる民間薬に配合されます。

サンシュユ

サンシュユ

科名
ミズキ科
学名
Cornus officinalis Sieb. et Zucc.
生薬名
山茱萸(さんしゅゆ)
薬用部位
偽果の果肉
主要成分
有機酸類、タンニン
作用
強壮
用途
漢方(八味地黄丸、牛車腎気丸など)

3月に春を告げるように黄色い花が咲きます。生薬となる果実は渋味が強く、体力が落ちたときに用いる漢方薬に配合されます。

ボタン

ボタン

科名
ボタン科
学名
Paeonia suffruticosa Andr.
生薬名
牡丹皮(ぼたんぴ)
薬用部位
根皮
主要成分
paeonol
作用
通経、鎮痛
用途
漢方薬(大黄牡丹皮湯など)

4月中旬に花を付けます。薬用には根を芯抜きした根皮を用い、血行の改善を目的に漢方薬に配合されます。種から育てることが難しく、園芸種はシャクヤクの根に挿し木をして増やします。

薬用植物園の植物

×