エラ・ヒューストン記念礼拝堂は、2014年3月に竣工しました。
「エラ・ヒューストン」という名前は、金城学院の歴史の中で、宣教師として最も長い期間校長として務められ、現職で天に召された第6代校長エラ・ヒューストン(実質は第3代校長)(在職1893〜1912年)を記念したものです。
礼拝堂は、楕円形で、天井が高く、柔らかな光の中に包み込まれるような空間です。正面に外光を採り入れた十字架を配置し、周囲の壁面の12の窓から十字架の光が外に向かって射し出ることをイメージしたデザインになっています。それから、礼拝堂バルコニーには1,241本のパイプと19の音色を誇るパイプオルガンが、またラウンジには12枚のステンドグラスがあります。
礼拝堂と事務棟合わせてコンセプトは「光」です。「光」と言っても自然の光のことを言うのではありません。聖書は、天地創造の場面で神の「光あれ」(創世記1:3)との言葉から語り出されます。「近寄り難い光の中に住まわれる方」(1テモテ6:16)であり、光そのものである神が、人間の救いのために遣わされた独り子は「まことの光で、世に来てすべての人を照らす」(ヨハネ1:9)方でした。ヨーロッパのゴシック様式教会の、礼拝堂内に射し込む太陽光線は、キリストの象徴と見なされていたそうです。私たちの新しい礼拝堂は、ゴシック様式を受けついだわけではありませんが、キリストを礎とする金城学院大学に集う人々が、キリストの光を受けて霊的に成長し、世界の人々のために働く人材として羽ばたいてゆくことを願っています。毎日の礼拝は、神との対話の中で自分を見つめる時間です。霊的養いのために存分に用いられることを願います。
事務棟のラウンジは、いつでも自由に利用できます。事務室には常駐のスタッフがいますので、キリスト教や教会についての質問に対応いたします。
Googleストリートビューで礼拝堂内部をご覧いただけます。
エラ・ヒューストン宣教師
エラ・ヒューストン宣教師は、28歳の時、アメリカ南長老教会が日本に派遣する宣教師の募集に志願され、1892年10月6日に横浜に着港されました。最初の任地は高知でしたが、翌年、アニー・ランドルフ宣教師の後継者であったオナ・パタソン宣教師の補佐として金城学院に来られました。金城学院の歴史が語られるときには、創立者のランドルフ先生について語られることが多いのですが、エラ・ヒューストン宣教師も、初期の金城学院の歴史を語るときに欠かせない方なのです。
学内組織や校則を整え、金城女学校を学校として整備するのに力を注がれたのはヒューストン先生です。また、みどり野会の前身となる同窓会を結成されたのも先生です。現在中学高校の一貫教育の柱となっている「Dignity 教育」の「dignity」という言葉も、ヒューストン先生が口癖のように生徒達に言われていた「You must have dignity」という言葉からとられています。(「dignity」は、尊厳・品位の意)。そして、金城学院が伝統として守り続けている毎日の朝の礼拝もヒューストン先生が整えられたことです。そして何よりも、先生は祈る人でありました。礼拝堂は「神の御言葉を聴くところであり、御言葉に導かれて祈る場所」です。礼拝堂にヒューストン先生の名前がつけられるのは、まことにふさわしいことであるのです。