「その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。『恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。
『いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。』」
(ルカ 2:8-14)
いと高きところでは、救い主の誕生を告げる天使が神を賛美し、中間部では、馬小屋の中のヨセフとマリアの安堵と、母マリアの腕に抱かれた幼子イエスの安らかな寝息が聞こえて来ます。下方では、馬小屋をそっと覗き込む羊飼いたちが、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったことを語り合っています。
下から三番目、右側パネルの小羊に手を置く子供は、少年イエスを暗示し、神の小羊としてのイエスも、同時に象徴的に描かれています。そしてマリアは、幼子を抱きながら、この少年に熱い視線を送っています。