湖上歩行

湖上歩行

「夜が明けるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、『幽霊だ』と言っておびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。イエスはすぐ彼らに話しかけられた。『安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。』すると、ペトロが答えた。『主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。』イエスが『来なさい』と言われたので、ペトロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。」
(マタイ 14:25-29)

この窓の構図は、従来のものと異なり、イエスが遠景に、弟子たちの乗る舟が前景に大きく配されています。そして、イエスの真下のペトロと、その後ろのヨハネと、さらにその後方のヤコブは、一つのグループを形成しています。

夜が明けるころ、高くうねる波と吹きすさぶ風の中を、静かに歩いて来られるイエス、そのイエスの身体だけが光に包まれ、明るく見えます。

一方、「幽霊だ」と恐怖の驚きの声をあげる弟子たち、その中には身を乗り出して、イエスの方に歩き出そうとするペトロの姿が見られます。

動の中の静であるイエスと、動の中で様々な方向に動きを見せる弟子たちの姿が、対照的に描かれています。


×