いつまでも健やかに、いきいきと。
就職、結婚、出産、子育て、更年期・・・女性のライフステージごとに訪れる心身の変化について学ぶ「女性みらい」。
全学生必修の共通教育科目で、そこには「金城学院大学のすべての学生が、生涯にわたって心身ともに健康に過ごしてほしい」という願いが込められています。
「女性みらい」の講義は全学部、全学科の1年生が対象。8回にわたって行われ、多くの女性が直面すると予想されるライフステージ(青年期、妊娠・出産期、育児期、中年期、老年期)ごとの「心理的危機」と「身体的課題」について学び、理解を深めていきます。
「テーマが青年期の心身の健康なら、まさに今の自分たちの問題ですが、妊娠・出産とか、中年期や老年期となるとまだ先の話でピンとこないかもしれません。でも、いずれその時期を迎え、自分が当事者になった時に、あの時学んだのはこのことね、と気づいてくれればいいなと思っています。今はそのための種蒔きをしているところ」と、女性みらい研究センター長で、「女性みらい」の授業プログラムを企画した宗方比佐子先生。
またたとえば中年期(40歳代〜65歳頃)はちょうど学生の母親にあたる年代で、更年期症状や親の介護、子離れ後の喪失感など、心身にさまざまな不調や病気が現れやすい時期。「女性みらい」は、自身の生涯の健康を支える正しい知識を身につけると同時に、母親や周りの女性たちへの理解や気づきももたらしてくれます。
授業では、毎回、前半で各テーマに応じた専門家の講義を映像教材で視聴。後半で授業担当教員の指導のもとでグループ討論をしたり、ミニレポートの作成を行います。
たとえば、第2回「青年期の心身の健康」の映像講義では本学多元心理学科の定松美幸先生が、統合失調症、うつ病、摂食障害など、青年期に多いこころの病気を解説し、理解を促した上で、青年期に心身を健康に保つコツを伝えます。
「女性のこころとからだは、それぞれのライフステージで大きく変化し、女性特有の悩みや課題も生じてきます。特に青年期はとても不安定な時期で、こころの病気を発症する若者は少なからずいます。こころの病気は正しい知識を持ち、早く気づいて、適切に対処することが大切。そのため、青年期の心身の健康については多くの時間を割いています」と、宗方先生。大学で学部学科を問わず、こころの病気をここまでしっかり教える授業はほとんどないそうです。
第3回の映像講義「妊娠・出産期の心身の健康」の講師は、大学病院でがん・生殖医療専門心理士として活躍する伊藤由夏先生。これから妊娠・出産期を迎える女性が知っておきたい生殖機能の話や、女性がかかりやすいがんの基礎知識をかみくだいて解説します。また、第7回「ストレス低減法」では、現役の医師でヨーガスタジオも主宰する斎藤素子先生が、ストレス発生のメカニズムや伝統的なヨーガを使ったストレス低減法を実践を交えて講義するなど、医療の現場で活躍する専門家の講義が聞けるのも、「女性みらい」の魅力のひとつです。
なお、授業で使う映像教材は、すべて国際情報学部 国際情報学科 後藤昌人ゼミの学生が制作。学生の目線に立って企画・編集した教材はわかりやすく、実際に講義を受ける学生にも好評。制作した学生にとっても、女性のこころとからだの健康についての理解を深める貴重な機会になりました。