看護学部 看護学科 2年
中西晶子さん
人のために働きたい
看護の仕事が
私の心を揺さぶった
私が高校1年生の3学期を迎えた2020年の冬、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めました。気がつけばマスクを付けるのが当たり前の生活になり、テレビや新聞のニュースはコロナ関連の話題で埋め尽くされるようになりました。そんな中で目に留まったのが、人の命を支えようと献身的に働く医療従事者の姿でした。特に厳しい状況下で笑顔を絶やさない看護師の方々を見ていると、画面を通して心が揺さぶられると同時に、実際の現場でそのようなケアができる看護師になりたいと強く思いました。小さい頃から人と関わるのが好きで、自分よりも人の幸せのために動きたい、と考えてきた私にとって、患者さんを直接支えることができる看護師という職業は何よりも魅力的に映りました。
また、結婚や子育てに対する大きな憧れがあったことも、看護師を選んだ理由の一つです。私にとって母が築き上げてきた家庭が理想であり、いつか結婚してそれを実現したいと考えています。母はとても明るく家族を笑わせるのが大好きでちょっとおっちょこちょい(笑)。その性格で私たち家族を笑顔にしてくれます。そして何かあった時には、しっかりと支えてくれる強さも持っています。そんな母が私にとっては憧れです。そのため国家資格を取得することで、結婚や子育てを経ても仕事に復帰しやすい看護師という仕事は大いに魅力的でした。
そして金城を選んだ大きな理由は、金城の看護学科ならICT化された医療現場に対応できると思ったからです。パソコンが苦手な私は、早い段階でこうした分野に慣れる必要性を感じていましたが、金城では普段の講義や実習レポートでもICTを活用しており、日々の学びの中で習得できる点に惹かれました。
その他にも、「グローバルヘルス看護学」という専門領域があり、国際的な視野を持って看護を学ぶことができます。新型コロナウイルスの影響で、在日外国人が抱える問題をニュースで目にする中、日本国内での外国人に対する看護の重要性を感じていたため、金城なら外国人患者さんへの対応能力も養うことができると考えました。
さらに、全学生が必修の「女性みらい」という共通教育科目があり、女性のライフステージに応じた心身の変化や健康に関する専門的な知識を深めることができます。この科目は、女性の人生とキャリアに焦点を当てたもので、青年期から結婚、出産、更年期、介護に至るまでのライフステージにおける心身の変化について学べます。私が理想とする女性像を追求する上で、この科目は他の大学にはない魅力だと感じました。
看護の基本は
コミュニケーション
その向上のために
切磋琢磨する日々
看護学科では、毎週演習が行われます。その中でも特に印象的だったのが洗髪の授業です。病院のベッドでの洗髪を想定し、学生同士で実際に横になり相手の頭を洗ったのですが、実際の患者さんのように動けない状況で頭を洗うことの難しさはもちろん、洗われる側の立場になって、患者さんの気持ちに配慮しながら適切な声がけをすることの重要性を、身をもって感じました。
そして演習後、新たに学んだことや困難を感じたことを事後課題としてまとめます。演習前後の課題も含め講義以外の時間も勉強に費やす必要がありますが、提出したレポートに先生が丁寧に手書きでフィードバックしてくださるため、とても充実感があります。こうした演習や課題は、頭と体をフルに使うため、終わった後はかなり疲れますが、これが看護学科の学びの醍醐味でもあります。
また、成人看護学から家族看護学への広がりや、看護コミュニケーションの一環として行われた模擬患者さんと会話する実践的な講義など、様々な学びが点ではなく線でつながっていくのが看護学科の最大の魅力だと感じています。ある日実習中に普段話す機会のない学部長が偶然いらっしゃったことがあり、統計学の先生としての立場からの話を伺うことができ、統計と看護の深い関連性を知ることができました。特にフローレンス・ナイチンゲールが統計データを用いて看護の進化に寄与した話は、学びがどれも繋がっていると感じさせるものでした。ここでも看護と統計学が、点ではなく線でつながっていることを再認識し、一つひとつの学びにしっかり向き合う覚悟を新たにしました。
大学生活において、学びと並んで重要なのがサークル活動です。現在私が所属しているのは、昨年新たに設立された「コミュニケーションサークル」で、コミュニケーションを通じて多職種との連携を深める方法を考え、コミュニケーション能力の向上を目的に活動しています。看護学科の学生が中心となって活動をしているサークルですが、医療との関連性が強い食環境栄養学科、多元心理学科、薬学科だけでなく英語英米文化学科の学生も在籍しており、他学科との関わりも深く、それぞれの得意分野を生かして活躍しています。
医療現場では、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士など、さまざまな分野のエキスパートが一丸となって仕事をしています。近年の医療はチーム医療としての連携が重視され、各専門職間のコミュニケーションは、患者さんの安全や最適なケアの確保、そして効率的なサービス提供や信頼関係の構築に不可欠な要素となっています。私たちのサークルでは、金城祭への出展や、コミュニケーションを楽しく学べるかるたの製作、高齢者の方とのボランティア活動などを通じて、日々切磋琢磨しています。
そのような活動の中で、顧問の先生が主催する「健康について高齢者の方と考えるイベント」にボランティアとして参加しました。普段接点のない初対面の高齢の男性と、会話の種がまったく見つからず困惑していた際に、先生から「修学旅行はどこ行った?」という話題を振るようアドバイスを受け、それが高齢者の方と私たち共通の話題として大いに盛り上がりました。
また、新1年生を交えた先生との食事会では、リーダーが欠席したことで、2年生が自分1人だけとなり、1年生たちが緊張して話せない中、全員が同じ学科だったことから、「先生はどう?」「授業は楽しい?」といった皆が話せるような話題を振ることで、会話を引き出すことができました。これもコミュニケーションを積極的に取ることの大切さを知ることになったエピソードの一つです。
金城の多彩な学びは
人生をより豊かにしてくれる
大学生活の中で最も印象に残っているのは、テスト前の放課後に教室で勉強をしていた時のことです。教室には、あまり関わったことのない同じ学科の学生がたくさんいましたが、お互いに教え合うなどして、様々なコミュニケーションを取ることができました。また、授業ではグループ活動が多く、毎回異なるメンバー構成での取り組みがあったので、2年生となった今では、看護学科の多くの学生と関わりを深めることができています。
大学に入学した当時は、養護教諭も視野に入れていましたが、看護学の講義や手厚いサポートを受ける中で、看護師としての魅力を再認識しました。振り返れば高校1年生の時、既に決まりかけていた進路を変えて看護師を志し、その数年後には金城に看護学科が新設され、私は第1期生となりました。さらに、入学直後には「コミュニケーションサークル」が創設されました。私はこれらが看護師になるために整えてもらった道だと思い、今では目標を看護師に絞って、患者さんやその家族に寄り添い、親身なコミュニケーションを大切にしていくことで、質の高い医療を提供したいと考えています。そのためにも、学びを深めてコミュニケーションの技術を磨き続けます。
また、金城には 専門科目だけでなく、「女性みらい」や「キリスト教学」など、独自の面白い講義が豊富にあることも魅力の一つだと思います。キリスト教を学ぶと、映画やアニメなどの日常の中で感じるキリスト教の要素に気づくようになり、視野が確実に広がります。金城での学びは、あなたの人生をきっとより豊かにしてくれます。特に看護学科では、先生方の熱意あるサポートを受けながら、素晴らしい看護師を目指すことができます。私たちと一緒に、金城での学びを深めてみませんか。看護学科とコミュニケーションサークルで、お会いできるのを楽しみにしています。
- 学生生活・思い出のアイテム
看護師を目指して一緒に歩んでいます!
思い出のアイテムは高校1年生の時、母に買ってもらった筆箱です。ある日、母が「そろそろ買い換えようか」と言ってくれて購入することになり、それが看護師を志したタイミングと同時期だったので、看護師への道を私と一緒に歩んでいます。
筆箱にはシャープペンシルやボールペンなど筆記具はもちろん、小型のホチキス、マスキングテープなどを使いたい時にすぐ取り出せるように、ぎっしり詰め込んでいます。私の母は看護師の道に進むことを後押しして、今でも応援してくれています。勉強が進まず上手くいかない時や、緊張するテストの時も、筆箱を見ると母が寄り添ってくれているような気がして、もうひと踏ん張り頑張ろうという前向きな気持ちになれます。
糸のほつれや汚れも目立つようになりましたが、修理して、この先看護師になってもずっと使い続けると思います。
患者の思いに寄り添い、“その人らしさ”をケアできる看護職者へ。
金城の看護学科ではグローバルな視点での看護教育が特徴的な学びの場を提供します。専門領域の「グローバルヘルス看護学」では、英語コミュニケーション能力の育成も重視しています。さらに、地域での体験実習を通し、療養が必要な人々の多様な生活背景を理解し、「その人らしさ」を尊重する看護の実践力を培います。そして、学びの環境として、新しく建てられた看護学科専用の校舎が用意されており、先進の医療機器を備えたICUや模擬病室など、実際の臨床現場を再現した学習設備が整備されています。
掲載の内容は取材当時のものです。