文学部 日本語日本文化学科 3年
太田真由さん
子どもの頃から触れていた
日本の文化をもっと学びたい
高校生の時に金城のオープンキャンパスに参加しました。そこで出会った金城生の表情は笑顔に溢れ、学生生活を心から楽しんでいる様子が伝わってきました。そして、学科紹介で訪れた教室では、教授と学生が和気あいあいと話しながら、分かりやすく丁寧に説明してくださり、大学に対して持っていた堅いイメージが完全に払拭されました。明るく美しいキャンパスにも感銘を受け、ここなら自分らしいキャンパスライフを送ることができると確信して入学を決意しました。
日本語日本文化学科を選んだ大きな理由は、それまでに日本舞踊や書道を習っていたことで、日本文化への興味を抱いていたからです。日本舞踊については子どもの頃、祖父が檀家だったお寺で、五條流の師範の方から直接稽古を受けて発表する機会があり、とても強く印象に残っていました。書道については、小学生の時から書道教室に通い、中学校では部活動として、高校では授業の選択科目で書道を選び、段位や資格を取得しました。
さらに、子どもの頃に自宅がアメリカからの留学生のホームステイ先となっていた経験も、日本文化への興味を深めたきっかけと言えます。留学生との交流を通じて、日本とアメリカの文化の違いを実感し、日本の文化を改めて見つめ直す機会となりました。
このような背景から大学進学の頃には、生まれ育った国の文化を深く学び、理解したいという思いがより一層強くなり、日本語日本文化学科を選びました。入学後は、私が興味を持っていた書道や華道、茶道といった日本文化だけではなく、古典文学や日本語学など幅広く学んでいます。
江戸時代の
植物図譜に魅せられて
その美しさを伝える
3年次の秋、学芸員養成課程で履修したカリキュラムの一環として、金城学院史料館で「江戸時代の図鑑 美しい植物絵」展を開催しました。私はキャプションやパネルを担当し、展覧会の名前や趣旨の考案にも携わりました。これらが実際の展覧会で採用され、とても嬉しかったです。
展覧会のテーマ選定にあたっては、図書館の膨大な蔵書を調査し、何度も議論を重ねました。企画段階では、飛び出す絵本のようにからくりを使った書物の展示や、色彩をテーマにした書物の展示など、数多くの候補が上がりましたが、最終的に江戸時代の植物図譜の展示に決定しました。植物図譜は手描きの植物絵が繊細で美しいだけでなく、紙の質感までとても魅力的でした。そうした書物としての素晴らしさを余すところなく伝えようと、アイデアを出し合いました。
中でも特に印象深かったことは、貴重な書物に触れる機会が得られたことです。植物図譜は一般公開されておらず、貴重書庫と呼ばれる学生が立ち入ることができない場所で保管されています。展覧会の企画が始まってからは、司書の方の許可を得て自由に書物に触れることができ、忘れられない経験となりました。
苦労した点は、役割を分担して臨んだものの、それぞれが自分の作業に集中してしまい、全体を把握することが難しかったことです。しかし、そんな時にリーダーがグループを一つにまとめてくれたおかげで、大きな問題が生じることなくやり遂げることができました。また、展覧会に訪れた同じ授業を履修する学生からのコメントやゼミの先生からの褒め言葉は、大きな励みとなりました。
展覧会開催を通じて、展示物の魅力を最大限に発揮することの難しさと、それを成し遂げる学芸員の方の素晴らしさを実感しました。私は色々な展覧会に出かけるのですが、感動する展覧会は伝えたいことが明確で、展示物のキャプションにも細やかな配慮が施されています。今回の展示企画では、学芸員の役割を自ら担ったことで、その凄さと重要性を理解することができました。この経験から得られた達成感や学びは、今後の学生生活はもとより、社会人になってからも大いに役立つと信じています。
また、所属する「日本語学ゼミ」では日本語を多角的に探究し、「言葉とものの認識」という観点から、オノマトペ(※)や方言でしか表現できない言葉を研究しています。ゼミでは興味のあるテーマに沿って自主的に研究を進めることができるので、とてもやりがいがあります。
その一方で、ゼミの発表準備やレジュメ作成、課題のレポート作成は大変です。しかし、こうした作業は自分の考えをまとめ上げ、的確に伝える力を養う上で欠かせないプロセスと考え、先を見据えて頑張っています。
※オノマトペ:人、動物、ものが発する音や、音がない雰囲気や状態を字句で表現したもの。
美しいキャンパスで
仲間と出会い
かけがえのない思い出を
これまでの学生生活で成長した点は、相手の立場に立って考えるようになったことです。金城には多様な考えや価値観を持つ学生が集まっています。ある日クラスメイトが作成した、同じ課題に対するレポートを読む機会があったのですが、私とは全く違う視点で書かれていたことに驚かされました。こうした気づきは、自分だけの視野に捉われず、広い視点で物事を見ることの大切さを教えてくれました。
また、これまでの学びから、日本語を母語としない方々が日本語を習得する際の難しさや、様々な文学作品を作者が生まれた地域性をはじめとする独自の背景を踏まえて読み解く楽しさなど、深い理解と幅広い視野を持つこともできるようになりました。将来に関してはまだ明確になっていませんが、今までの経験をもとにして、人との関わりをより良いものにするために、自分が学んできた知識や視点を生かしていきたいと考えています。
これから受験する皆さんは、将来の夢や就きたい仕事に直結する学科を選んでも良いですし、純粋に自分の好きなことや興味のある分野を追究できる学科を選ぶのも良いと思います。どのような動機であれ、大切なのは入学する目的を明確にすることです。目的を持つことで、学生生活をより充実させることができます。私自身、日本の文化を追究したいという目的を持って入学し、それが叶っていることを実感しています。
大学生活は、自分自身を成長させる貴重な時間です。金城には学びを深めるだけでなく、美しいキャンパスで素敵な仲間と共に過ごし、成長できる魅力的な環境が整っています。あなたも金城で、かけがえのない思い出を作りませんか。きっと、想像している以上の充実した大学生活が待っているはずです。
- 学生生活・思い出のアイテム
300冊を目指して読み続けます!
最も思い入れのあるアイテムは図書館のスタンプカードです。本を返却するたびに冊数分のスタンプを押してもらえるので、私にとって読書のモチベーションを高める大切な存在です。図書館の蔵書数は約54万冊で、その中から日本文学はもとより、生物学の本や絵本に至るまでジャンルに拘らず借り続け、現在は100冊程度を読み終えました。図書館の蔵書全てを読破することは難しいですが、1枚100冊分のスタンプカード3枚がスタンプで埋め尽くされるまで本を読み続けたいと思っています。
遙かなる日本文化を探究し、培った思考力・分析力を未来へ。
文化・文学・言語の探究を通して広い教養と深い知性を養い、日本語運用能力や情報活用能力も身につけるのが、日本語日本文化学科です。思想や美術、古典から現代のポップカルチャーまで、各時代の文化・文学をじっくり研究。日本人の感性を読み解き、思考力と分析力を養います。さらに、日本の伝統文化を代表する茶道・いけばな・狂言・お香など、各界の第一人者から直接その作法と精神を学び教養を深めます。
また、就職支援のために本学科独自の「キャリア・リテラシー科目群」を開講。1年次から就職に向けて視野を広げ、IT活用スキルなどを身につけられるのも特徴です。
掲載の内容は取材当時のものです。