薬学部を今春卒業した小島由真さん、森川智恵さん(筆頭著者)と現在6年生の杉浦花菜子さん(筆頭著者)、山本友里恵さんら(いずれも篠原研究室)が卒業研究で取り組んだ研究「Evaluation of the context of downstream N- and free N-glycomic alterations induced by swainsonine in HepG2 cells」が英文学術雑誌(Biochimica et Biophysica Acta - General Subjects)に掲載されました(9月号、オンライン掲載は5月)。
家畜に重大な被害を与えることで知られるアルカロイドであるスワインソニンは糖鎖代謝阻害剤としてもよく知られています。今回、スワインソニンがHepG2細胞のタンパク質のN-結合型糖鎖と遊離N-結合型糖鎖の発現に与える影響を網羅的かつ経時的に解析し、数々の特異的な発現変動を明らかにするとともに、これらの変動のダイナミックな時系列を明らかにしました。さらに別の阻害薬を併用して、スワインソニンが誘導する代謝変動を阻害したときの代謝経路に与える影響についても知見を得ることができました。これらの結果は、代謝経路が十分に明らかにされていない糖鎖の代謝経路の解明に資するものと考え、引き続き研究を継続しています。本研究は、北海道大学医学研究科、新潟大学医歯学総合研究科、名古屋大学糖鎖生命コア研究所との共同研究の成果となります。
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