▲ 彫刻公園の会場風景 8月のノルウェーの美しいランドスケープが心踊らせてくれます
現代子ども教育学科 野村和弘教授の彫刻作品を設置した彫刻公園がノルウェーのサルプスボルグ自治区に開設され、8月26日(金)にサルプスボルグ自治区にあるストーレダール・カルチャーセンターで開園式が行われました。
野村教授は、大学院在席時にサルプスボルグ自治区に研究留学をして以来、毎年制作活動と展覧会活動を続け、20年以上この地との交流を深めてきました。
2020年には、ストーレダール・カルチャーセンター創設50周年記念の企画として、野村教授の彫刻作品の展覧会と彫刻公園の開設が決定していました。しかし、コロナ禍の影響で、野村教授が現地に赴けなかったことがあり延期となっていましたが、今回2年半ぶりに野村教授が現地で制作活動を行うことから、彫刻公園開園のオープニングセレモニーが開催されることとなりました。
野村教授が作品制作と発表を通じてノルウェーと日本の文化交流を担った活動をしていることから、在ノルウェー日本国大使館の駐ノルウェー日本国大使がオープニングセレモニーにご臨席され、在ノルウェー日本国大使館のウェブサイトで紹介されています。
彫刻公園の企画に際しては、ストーレダール・カルチャーセンターの美しいランドスケープに展示することを想定し、設置した石彫作品には、野村教授が長年住み、感じ、愛したノルウェーの自然(四季)のイメージが込められています。台座には、作品名、日本の篆刻(てんこく)文字、野村教授が制作した現代の岩刻壁画等が設置されています。
▲〈 SPIRE – SPROUT –〉
春のイメージ。長く暗く寒いノルウェーの冬に耐え、植物が芽や根を思いっきり伸ばし、春の訪れを謳歌する生命の力強さを表現。
▲〈FLY AVSTED – FLY AWAY –〉
夏のイメージ。青く澄み切ったノルウェーの夏の青い空を気持ちよく鳥が飛び回り、短い北欧の夏を楽しむ喜びや開放感を表現。
▲〈VIND – WIND –〉
秋のイメージ。黄金に輝く収穫期、穏やかな空気や収穫の匂いが五感をほっとさせてくれます。広大な麦畑の上を掠めていくノルウェーの風の精を表現。
▲〈MAANE – MOON–〉
冬のイメージ。空気の澄み切ったノルウェーの冬の空には、月とたくさんの星が冴え冴えと輝いています。暗く長いノルウェーの冬空から見守っていてくれる月の精(月詠)を表現。
▲ ストールダール・カルチャーセンターでは、既に、私の他の作品を所蔵しており、夏と冬では違った顔を見せてくれます。
▲ 2012年にストールダール・カルチャーセンターで開催された「子どものための作品展(個展)」の会場風景
野村教授は、
「個展では、観る者に、作家が作品に込めた思いや形を自由に受け取ってもらうともに、石という素材の肌触りを楽しんでもらうために、直に触れながら鑑賞してもらっています。ですから、彫刻公園の作品も手で触れて、石彫作品を目と肌で楽しんでもらいたいと思います。私は彫刻家でもありますが、美術教育を担う教員でもあります。芸術作品に触れて自由に解釈すること楽しむことで、作品を作ったり、鑑賞したりすることに興味をもってもらいたいと考えています。そのような体験を幼い頃から楽しむことは、人生の楽しみ方を豊かにすることにつながっていくと思えるのです。」
「ノルウェーのサルプスボルグに毎年戻り、大好きな環境の中で制作できることは何よりも幸せなことであり、私の作品を楽しみにしていてくれるサルプスボルグの人々に支えられながら、22年を過ごして来ました。今後も私の作品を通して、日本とノルウェーとの文化交流の担い手として携わり、石彫作品の魅力を届けていきたいと思っています。」
と話されています。
日本では、現在、知立市文化会館にて、「野村和弘彫刻展 -Hide and Seek- 知立市出身の彫刻家の世界」の展覧会が、2022年5月1日(日)〜2023年3月31日(金)まで、ちりゅう芸術想像協会の主催により開催されています。詳細はこちら