またちょっとマイナーな?植物。
カラスウリは、やぶや雑木林にときどき自生していて秋になると鮮やかな朱色の実をつけるので見たこともあると思いますが、今回のはキカラスウリ。最初のキは黄色のキ。本学薬草園では栽培し初めてもう5−6年経つのですが、なかなか実をつけませんでした。昨年夏に初めて実をつけました。どんな黄色になるのか楽しみにしていたのですが、秋が深まっても緑のまま。ツルが枯れ始めても緑のまま。ツルがすっかり枯れて何もなくなりかけて、今ごろやっと黄色くなりました。やれやれ。
このキカラスウリ、種はカロニン(栝楼仁)といって、痰を伴う咳の咳止めに用います。根はカロコン(栝楼根)といってほてりなどを改善する目的で漢方薬に配合されます。また、根からとったデンプンの粉は、かつて「天花粉」といって、今でいうベビーパウダーとして用いられていました。昭和の半ばまではどこのご家庭にもあったもの。年配の方には実はお馴染みだった植物です。