薬学部6年生の飯田彩華さん、川合裕穂さん、杉浦花菜子さん(筆頭著者)、山本有紗さん、と5年生学生(いずれも篠原研究室)が卒業研究で取り組んだ研究「Exposure to brefeldin A induces unusual expression of hybrid- and complex-type free N-glycans in HepG2 cells」が英文学術雑誌(Biochimica et Biophysica Acta - General Subjects)に受理されました。
ゴルジ体の構造と機能はある種のストレスでかく乱されゴルジ体ストレスを引き起こすことが知られていますが、そのメカニズムには不明な点が多く残されています。本研究では、ゴルジ体ストレス誘導剤であり、ゴルジ体の分解や小胞体への分泌タンパク質の蓄積を引き起こすことが知られているブレフェルジンA(BFA)が細胞の糖鎖代謝に与える影響を精査し、ハイブリッド型やコンプレックス型の遊離N-グリカンが蓄積することを見出しました。これらの糖鎖は通常の細胞における発現は極めて限定的であるものの、ある種のがんなどの疾患で発現が増大することが報告されています。これらの糖鎖の代謝経路はよくわかっていないため、BFA曝露後の細胞内動態を解析し、これらの遊離N-グリカンの代謝経路を推定する知見を得ることができました。本研究は、岐阜医療科学大学薬学部、名古屋大学糖鎖生命コア研究所、北海道大学医学研究科、新潟大学医歯学総合研究科との共同研究の成果となります。
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