2023年1月29日13時30分より、英語英米文化学科英語スペシャリスト養成プログラム4年生の学習成果公表の一環として「通訳シンポジウム」が行われました。昨年に引き続き、新型コロナ感染拡大という状況下で、外部の会場ではなくZOOM会議システムを使用したオンラインでの開催となりました。
昨年度は、司法通訳問題に詳しい大阪弁護士会所属の寺田有美子先生が講演者としてご参加くださり、法律家の立場から有益な情報を多くご提供いただき、大変勉強になりました。今回は、一般社団法人 全国医療通訳者協会代表理事の森田直美先生にご講演いただきました。医療通訳とは何か、医療通訳は誰のためにあるのか、医療通訳研修はなぜ必要かなど、さまざまな観点から日本の医療通訳を取り巻く状況について詳しく説明され、学生たちにとって大変学ぶことの多い内容でした。講演には学生による逐次通訳が付きました。
ZOOM風景 (講演者の森田先生:上から2段目右から2人目)
森田先生のご講演スライド
また、講演の通訳を担当しない学生たちは、医療通訳をテーマにしたプレゼンを行いました。授業で学んだことをベースに、医療通訳者の役割や倫理について、具体的な例を挙げながら、とてもわかりやすく解説することができました。最後にプレゼンの内容の理解度を問うクイズも出しました。とても魅力的なパワポを使用しながら、英語で発表しましたが、学生たちによる日本語の逐次通訳が付き、聞いている人たちにとって非常にわかりやすいものになりました。
学生のプレゼン 医療通訳
この学習成果発表会において「成果発表」の部分を最も象徴的に表していたのが、講演の通訳でした。オンライン開催になったことから、会場でパナガイドシステムを使用した同時通訳を行うことができないので、同時通訳ではなく逐次通訳を行いました。通訳担当の6名の学生は、何週間も前から、講演者の協力を得て、当日話される内容についての情報収集を行い、専門用語などの対訳集作成を含む事前準備をしました。講演は事前にいただいた原稿通りに進まない個所もありましたが、学生たちは授業で習得したメモ取りの技術を駆使し、何とか頑張って正確に訳していきました。昨年は通訳担当の学生も自宅からオンライン参加でしたが、今年度は6名の担当学生と指導教員が自分のパソコンを持って大学の1室に集まり、そこで通訳しました。通常、通訳はペアで助け合いながら行うので、その体制が取れたことはとてもよかったです。
大変緊張する中で、自分たちのベストを尽くして通訳したことは、学生たちにとって本当によい経験になったことと思います。
逐次通訳風景
通訳メモ
また、イベント全体を統括した2名の学生には、学習成果公表助成金の申請をはじめ、チラシ作成などの広報活動、ZOOM会議の設定、当日の司会進行役をやってもらいました。彼女たちのおかげでイベントがスムーズに進行しました。 このように、ゼミ生全員の努力のおかげでこのイベントが盛り上がりました。
英語スペシャリスト養成プログラムの3年生も聴衆としてオンラインで参加し、イベントを一緒に盛り上げることができました。彼女たちが今回色々と学んだことを、来年度の通訳イベントにつなげてくれると期待しています。