5月に入り、いろいろな植物の花の季節が順番に来ています。やはり今年は(も?)少し早めのものが多く、おおむね例年より1週間程度早めという感触です。
端午の節句を迎え、ショウブの花が咲いています。菖蒲湯に使う、あのショウブです。見出しの写真の植物です。「えっ?どこに花?」と思った方、アヤメの花のような花菖蒲を思い浮かべたのではないでしょうか。あれはアヤメ科のまさにアヤメそのもの。薬用・浴剤に使うのはこちら、ショウブ科のショウブ、分類的にはサトイモ科に近いものになります。写真の真ん中にあるピッと一本突っ立っているのが花穂・その花穂の上に小さな点々で見えるのが花。これで立派に咲き誇っているんです。
元々こちらが「あやめ」と呼ばれていました。細長い葉が重なり合う様が「文目模様」と言いますが、その「あやめ」です。同じような葉で花が派手なものの方が目立つので、派手な方は「はなあやめ」と呼ばれるようになり、やがて「はな」がとれて「アヤメ」の名前はそちらに乗っ取られてしまいました。地味なこちらはショウブと名乗るようになりましたが、今また、派手な花の方が「花菖蒲」と呼ばれだして、また名前を乗っ取られかけているのです。花が地味なばかりにちょっとかわいそうですよね。ちゃんの本物の「ショウブ」を知っていてください!