丹羽美月さん・片桐七衣さん(林高弘研究室 卒業生)と中尾優里さん(林高弘研究室 6年生)が薬学部薬学科で卒業研究として取り組んだ研究「Influence of Previous Therapy for Neutropenia Caused by Combination Therapy of Ramucirumab and Docetaxel」が、英文学術雑誌 ‘Cancers’ (IF: 5.2)に掲載されました。

日本人の非小細胞肺がんに対して、二次治療以降(一番最初に用いるがん治療を一次治療といい、二次治療はそれ以降に選択する治療をさす)での使用が推奨される治療法にラムシルマブとドセタキセルの併用療法があります。しかし、この治療法を用いる際には、免疫細胞の一種である好中球を著しく低下させる副作用(好中球減少症)の発現に特に注意を要します。さらに、過去に免疫チェックポイント阻害薬の使用歴がある患者様ではこの治療法の効果を向上することが報告されていますが、好中球減少症の発現頻度への影響については解明されていません。この研究では、過去に免疫チェックポイント阻害薬の治療歴のある患者様では、一つ前に使用した抗がん剤の種類に関わらず、ラムシルマブとドセタキセルの併用療法による重篤な好中球減少症の発現頻度が少ないことを明らかにしました。本研究は、岐阜県総合医療センター薬剤部、刈谷豊田総合病院薬剤部との共同研究として実施したものであり、今後の肺がん治療に役立つことが期待されます。

論文はこちらから検索できます。→https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38893195/

左より:林高弘教授、丹羽美月さん(卒業生)

左より:平下智之薬剤部長(岐阜県総合医療センター)、眞野翔太がん専門薬剤師、中尾優里さん(6年生)、大野裕之がん指導薬剤師、林高弘教授