
3月が寒くて、いつもはサクラに先んじて咲くユキヤナギが、今年はサクラと同時開花、腰の高さに白いユキヤナギ、目線を上に映すとソメイヨシノ、という光景があちこちの公園で見られています。
もう一つ、今年はサクラと同時になっているのが右写真のコブシ、サクラより一足先に満開になってはいますが、白い花があちこちの街路でサクラと共演していました。本学の薬草園のコブシはなぜはなかなか花がつかなかったのですが、今年は十数輪の花がつき、春に彩りを添えています。(白ですが・・)
コブシですが、薬としては蕾(写真下)を利用します。生薬名は「辛夷」。「辛夷」を見ると植物の漢字表記と同じと思うかもしれませんが、生薬の名前の場合はこの漢字で「シンイ」と読ませます。充血をとる作用があるとされており、鼻詰まり(鼻粘膜の充血で起きる)や蓄膿症の解消を目的として利用される漢方薬(葛根湯加川芎辛夷など)に利用されます。このふわふわの蕾で寒い冬に耐えて、例年ですと3月中旬あたり、陽差しに暖かさが加わる頃に寒さが終わったよというように咲き始めます。