2021年1月30日に、英語英米文化学科英語スペシャリスト養成プログラム4年生の学習成果公表の一環としての「通訳シンポジウム」が行なわれました。昨年度までは、名古屋駅近くの会議室を借りて行っていましたが、今年度は新型コロナ感染拡大という状況下で、ZOOMを使用したオンラインでの開催になりました。
ZOOMでの実施の様子
馬小菲先生と通訳の学生
昨年度は、コミュニティ通訳のベテランであり、通訳コーディネーターとして犬山市で活躍している日系ブラジル人の大島ヴィルジニアさんを講師にお招きしましたが、今年度は司法通訳をテーマに選びました。今年の招待講演者である馬小菲(マショウフィ)先生は、中国出身で日本語学の研究で博士号を取得し、現在立命館大学で非常勤講師をしながら、関西一円で司法通訳人として活躍しておられる方です。今回のご講演で、馬先生は日本の刑事裁判や司法通訳を取り巻く状況をわかりやすく説明してくださるとともに、現場で通訳人が直面する問題についても、色々な実例とともにお話しされ、司法通訳に関心のある学生たちにとって、たいへん学ぶことの多い内容でした。
また、学生たち独自の医療通訳をテーマにしたプレゼンも行いました。医療通訳を概観するとともに、愛知医療通訳システムの紹介や医療通訳に関する最新情報も盛り込んだ内容を、クイズも交えながらパワーポイントを用いて英語で発表しました。学生たちによる日本語の逐次通訳も付き、聞いている人たちにとって非常にわかりやすいものになりました。
学生のプレゼン風景
この学習成果発表会において「成果発表」の部分を最も象徴的に表していたのが、講演の通訳でした。オンライン開催になったことから、昨年までとは異なり、同時ではなく逐次通訳を行いました。通訳担当の6名の学生は、何週間も前から、講演者の協力を得、当日話される内容についての情報収集を行い、専門用語などの対訳集作成を含む事前準備をしました。
講演は事前にいただいた原稿通りに進まない個所もかなりありましたが、学生たちはとても頑張って、何とかついていくことができました。質疑応答の場面はもちろん、何の準備もなく通訳することになりましたが、これも2年間の授業で身につけたスキルのおかげで、切り抜けることが出来ました。今年度はこれまでのように、その場にいる学生同士で助け合って通訳をすることができず、すべて一人で対応しなければならないという大変な状況でしたが、とてもプロフェッショナルなパフォーマンスでした。
通訳担当の学生たち
また、学習成果公表助成金の申請をはじめイベント全体を統括したリーダーをはじめ、チラシ作成などの広報活動、ZOOM会議の設定、当日の司会進行役を担った学生など、ゼミ生全員の努力のおかげでこのイベントが盛り上がりました。英語スペシャリスト養成プログラムの3年生も聴衆としてオンラインで参加し、イベントを盛り上げることができました。彼女たちが今回色々と学んだことを、来年度の通訳イベントにつなげてくれると期待しています。