第65回日本薬学会東海支部大会では化学系、物理系、生物系、医療系それぞれの専門分野ごとに主に薬学部教員が審査員となって学生の口頭発表を発表スキルと研究内容との両面から審査をします。
熊澤さんは「肥満細胞FcεRIの情報伝達系におけるビベンジル化合物の抑制作用」というタイトルで発表を行いました。ある種のコケ(苔)には、ビベンジルと呼ばれるユニークな構造を持った化合物群が含まれています。以前より、この化合物群の中には鎮痛作用や筋弛緩作用などの生理作用を発揮する化合物がある事が知られていました。今回の研究では、新たに抽出したビベンジル化合物に抗アレルギー作用があることを発見し、この抗アレルギー作用の仕組みの一端を解明する事ができました。この知見を応用すれば、新しい抗アレルギー薬を作り出せる可能性があります。
金城学院大学薬学部は、このような基礎のサイエンスから医療現場における研究まで、幅広い視点で研究を進め、それを学生の教育に還元し、サイエンスのできる薬剤師を育てています。