2020年09月23日 (水)

今日のお題:木村昌人先生より『渋沢栄一:日本のインフラを創った民間経済の巨人』(ちくま新書、2020年9月)をご恵贈賜る

木村昌人先生より『渋沢栄一:日本のインフラを創った民間経済の巨人』(ちくま新書、2020年9月)をご恵贈賜りました。誠にありがとうございます。昨年のドイツ行以来、ご無沙汰致しており恐縮です。

渋沢栄一 ――日本のインフラを創った民間経済の巨人 (ちくま新書) | 昌人, 木村 |本 | 通販 | Amazon

https://www.amazon.co.jp/s?k=4480073183

木村先生には、すでに

『渋沢栄一―民間経済外交の創始者」(中公新書、1991年)

というご本があり、こちらがどちらかと申しますと、後半生を描いたものであるのに対し、今回のものは、渋沢の一生涯を描き出したものとなっているわけで、その意味でも渋沢の全体像を知るには最適の書であると申せます。


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【目次】
第1章 義憤と挫折を超えて
第2章 日本社会の基盤を整備する
第3章 合本主義とは何か
第4章 ヨーロッパ重視から米国重視へ
第5章 世界と日本の新たな姿を模索して
第6章 人生晩晴を貴ぶ

やはり、個人的には、第1章は、幕末風雲編的に興味のあるところであり、改めて「なんでこのヒト生き残ったんだろうねぇ」「っていうか、フランス行って変わりすぎ」という所が非常に面白い。髷とか切っちゃう下りは秀逸であります。

髷を落とした写真に対して、奥さんが文句を言う手紙を送ったりしているのも非常に興味深い。ぜひ、岩倉具視に教えてあげればよかったのにと思ったり思わなかったり。

あと、4章ですね。米国との関わりを民間外交のレベルで論じたあたりは、木村先生の長年の蓄積が踏まえられていて、日米関係史をやりたいヒトはまずみておいて損はないはず。

むかし、自分で災害復興をめぐる日米関係と渋沢みたいなお話しをやったときに、木村先生の研究には、随分お世話になったなぁと懐かしく思い出すわけですが、そうですか、プリンストンでご一緒したのは、もう15年近く前ですか、そうですかそうですか。

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