2012年05月12日 (土)

今日のお題:日本近代仏教史研究会第20回研究大会傍聴

聞きたい発表がたくさんあって、且つ自分が発表しなくて良い学会というのは、なんとすばらしいモノなのでしょうか。

日本近代仏教史研究会 - 第20回研究大会のプログラム
http://www.mjbh.jp/release120304.html

個別の研究発表も面白かったですし、シンポも良かったです。と、いうか、研究発表というレベルではなかったと思います(良い意味で)。

吉永先生のグループがこの数年取り組んできた業績の全体像(「『新佛教』研究の現状と展望」)がみれたのも良かったですが、小川原さんの発表「対華二十一箇条要求と仏教―布教権をめぐって」が、これまた秀逸というか、なんでそんなところに眼を付けちゃったのというところで、「そうかそれはそういう意味があるのね」という歴史の見方の面白さを改めて教えてくれる内容でした。

私どもは、条文に残ったものを見がちですが、小川原さんは消えたモノにも意味があると指摘されるわけです。何とも慧眼でございます。

シンポジウムの「近代の仏教とキリスト教」もこれまた当方の楽しみとしていたところであります。

正直、近代仏教を作ったのはキリスト教だと思っている――すごい誤解を生む余地のある書き方ですが――ので、面白く拝聴しました。ただやっぱり「キリスト教≒プロテスタント」という理解の傾向は、すこし冷静になって考えてみる必要があるような気がします。

「事実としてそうだったからしようがない」というのは、どこかで聞いた論法なわけで、そもそもの前提となる概念が普遍性を有しているのかという問題を、一つクリアしなければならないわけですが、とりあえず今日はここまで。

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