今日のお題:岩田文昭・碧海寿広両先生より『知っておきたい 日本の宗教』(ミネルヴァ書房、2020年10月)をご恵贈賜る。
岩田文昭・碧海寿広両先生より『知っておきたい 日本の宗教』(ミネルヴァ書房、2020年10月)をご恵贈賜る。まことにもって有難く存じます。
アマゾンではまだ売ってませんが、絶賛予約中でございます。
知っておきたい日本の宗教 | 岩田文昭, 碧海寿広 |本 | 通販 | Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4623090000/
目次をご覧戴ければ、誰でも興味関心を覚えそうなものが美事にならんでおります。どこか心の琴線に引っかかった方は是非お買い求め戴きたいところ。とくに幅広く日本文化をやっている方にお勧めしたい。
ミネルヴァの目次には筆者がないので(本書自体の目次にもないので、ここは非常に残念なところです)、
知っておきたい 日本の宗教 - ミネルヴァ書房
https://www.minervashobo.co.jp/book/b516273.html
当方で勝手に付けました。
著者一覧を拝見するに編者お二人はもとより、皆さん各々の分野で様々にご活躍されている方ばかりでございます。また、ほとんどが2010年以降に学位を取得された方でして、
「ああなるほど、こうやって中年研究者は己れの不明に思いを致すのだなぁ」
と思った次第。
【目次】
はじめに(碧海寿広)
序 章 日本人は無宗教なのか(岩田文昭)
1 日本人は無宗教か
2 なぜ日本人は自分を無宗教だと思うのか
3 明治維新以降の「宗教」の捉え方
4 宗教について学ぶ意義
第1章 京都の宗教施設を外国人に案内しよう(菊池暁)
1 伏見稲荷大社:自然信仰
2 清水寺:現世利益
3 本願寺:伝統仏教と近代化
4 町なかの神仏:市井に生きる宗教
第2章 東京の宗教施設を外国人に案内しよう(平藤喜久子)
1 明治神宮:近代の神社
2 神田神社:江戸と現代の“聖地”
3 浅草寺:神仏分離
4 七福神巡り:民間信仰
第3章 日本人は岩や山を拝んでいるのか(大道晴香)
1 神霊が宿るモノ
2 神霊がいる場所
3 自然観とのかかわり
4 現代の自然への信仰
第4章 日本にはどんな聖地や巡礼があるのか(岡本亮輔)
1 四国遍路
2 現代の聖地巡礼
3 世界遺産を歩く
4 信仰なき時代の聖地巡礼
第5章 正月やお盆の行事とはなんなのか(岡本亮輔)
1 正月とお盆の行事
2 年中行事は宗教なのか
3 インフラが作った実践
4 信仰なき実践
第6章 日本の祭りや儀式とは(鶴真一)
1 さまざまな祭り
2 祭りの機能
3 通過儀礼
4 祭りの変化
第7章 日本人の休日とは(岩田文昭)
1 祝祭日
2 紀年法
3 なぜ日曜日が休みなのか
4 元号・六曜
第8章 日本では終活が盛んときいたが(問芝志保)
1 終活とはなにか
2 終活ブームの担い手
3 エンディングビジネスの成長
4 終活と宗教のこれから
第9章 日本の墓とはどんなものか(問芝志保)
1 お盆は家族で墓参り
2 さまざまな世界の墓
3 日本の家墓
4 日本が抱える墓問題
第10章 日本の政治と宗教の関係はどうか(高尾賢一郎)
1 近代における政治と宗教
2 西洋の政教分離
3 イスラームは政教分離か
4 日本の事例を考える
第11章 学校に「宗教」の時間はないのか(岩田文昭)
1 政教分離の下での宗教教育
2 宗教教育の類型
3 畏敬の念と宗教的情操
4 外国の宗教教育
第12章 日本人は戦死者をどのように追悼してきたのか(赤江達也)
1 靖国神社とはなにか
2 戦後の靖国問題
3 政教分離の問題
4 海外の事例とこれから
第13章 天皇制とはなにか(永岡崇)
1 天皇の祭り
2 「現人神」の時代
3 天皇と神と仏
4 象徴天皇制の宗教性
第14章 新宗教とはなにか(永岡崇)
1 現代日本の宗教アレルギー
2 庶民の宗教
3 生命主義的救済観
4 新宗教は今?
第15章 日本の大学に危険な宗教サークルはあるのか(永岡崇)
1 危険な宗教はどれですか?
2 「カルト」とはなにか
3 「洗脳」再考
4 「カルト」と私たち
第16章 キリスト教はどのように受容されているのか(赤江達也)
1 キリスト教はどんな宗教か
2 日本におけるキリスト教
3 近世社会とキリシタン
4 近代日本のキリスト教
第17章 イスラム教徒用のレストランはあるのか(碧海寿広)
1 食と宗教
2 イスラームの場合
3 食と日本人
4 グローバル化と食文化
第18章 日本の宗教は苦しむ人をたすけているか(葛西賢太)
1 傾聴する宗教者
2 刑務所で話を聞く教誨師
3 緩和ケアを支援する宗教者
4 なにを聞くのか、役に立つのか
第19章 坐禅する外国人が多いのか(末村正代)
1 伝統宗派としての禅宗
2 禅宗から禅思想へ
3 禅からZenへ
4 禅と日本文化の関係
第20章 日本人はどんな瞑想をしているのか(葛西賢太)
1 習い事をモデルにした「朝活禅」
2 内観という自己理解の方法
3 マインドフルネスと医療
4 変性意識状態としての瞑想
第21章 なぜオカルトブームが起こるのか(大道晴香)
1 オカルトとはなにか
2 戦後日本のオカルトブーム
3 ブームの社会背景
4 オカルトブームの終焉
第22章 日本の神話や物語にはどんなものがあるか(大澤絢子)
1 日本の神話はどう読まれてきたか
2 古典文学のなかの仏教
3 近代の文学と宗教
4 宗教とメディア
第23章 東アジアとの関係はどうか(川瀬貴也)
1 大陸からの宗教の伝来
2 台湾・中国の宗教状況
3 韓国の宗教状況
4 韓国のキリスト教
第24章 日本の僧侶は結婚しているのか(碧海寿広)
1 日本仏教の特異性
2 仏教の日本化
3 戒律と日本の僧侶
4 日本仏教を評価する
第25章 女人禁制とはなにか(碧海寿広)
1 女性は土俵に上がれない?
2 宗教と男女差別
3 男女平等をめざして
4 宗教と女性のゆくえ
第26章 水子供養とはなにか(鶴真一)
1 亡くなった子のために
2 中絶の歴史
3 水子供養のブーム
4 中絶に対する考え方の違い
第27章 クローン人間をつくっていいのか(鶴真一)
1 いのちを「つくる」
2 いのちを「つくり変える」
3 宗教と生命倫理
4 いのちの未来
第28章 人は縄文時代のなにに惹かれるのか(岩田文昭)
1 縄文時代の人気
2 枢軸の時代と宗教の進化
3 新霊性運動・文化
4 宗教と自己形成
おわりに
参考文献
索 引
執筆者紹介
最後に「縄文」が来ているのが、非常に効いています。これはみんな不思議に思いながら、なかなか客観視・言語化できないところで、勉強になります。
「なるほど、なるほど、この方にはこういう引き出しもあるのか」などと思いながら拝読するのも、それはそれで乙かと。
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ミネルヴァの目次には筆者がないので(本書自体の目次にもないので、ここは非常に残念なところです)、
知っておきたい 日本の宗教 - ミネルヴァ書房
https://www.minervashobo.co.jp/book/b516273.html
当方で勝手に付けました。
著者一覧を拝見するに編者お二人はもとより、皆さん各々の分野で様々にご活躍されている方ばかりでございます。また、ほとんどが2010年以降に学位を取得された方でして、
「ああなるほど、こうやって中年研究者は己れの不明に思いを致すのだなぁ」
と思った次第。
【目次】
はじめに(碧海寿広)
序 章 日本人は無宗教なのか(岩田文昭)
1 日本人は無宗教か
2 なぜ日本人は自分を無宗教だと思うのか
3 明治維新以降の「宗教」の捉え方
4 宗教について学ぶ意義
第1章 京都の宗教施設を外国人に案内しよう(菊池暁)
1 伏見稲荷大社:自然信仰
2 清水寺:現世利益
3 本願寺:伝統仏教と近代化
4 町なかの神仏:市井に生きる宗教
第2章 東京の宗教施設を外国人に案内しよう(平藤喜久子)
1 明治神宮:近代の神社
2 神田神社:江戸と現代の“聖地”
3 浅草寺:神仏分離
4 七福神巡り:民間信仰
第3章 日本人は岩や山を拝んでいるのか(大道晴香)
1 神霊が宿るモノ
2 神霊がいる場所
3 自然観とのかかわり
4 現代の自然への信仰
第4章 日本にはどんな聖地や巡礼があるのか(岡本亮輔)
1 四国遍路
2 現代の聖地巡礼
3 世界遺産を歩く
4 信仰なき時代の聖地巡礼
第5章 正月やお盆の行事とはなんなのか(岡本亮輔)
1 正月とお盆の行事
2 年中行事は宗教なのか
3 インフラが作った実践
4 信仰なき実践
第6章 日本の祭りや儀式とは(鶴真一)
1 さまざまな祭り
2 祭りの機能
3 通過儀礼
4 祭りの変化
第7章 日本人の休日とは(岩田文昭)
1 祝祭日
2 紀年法
3 なぜ日曜日が休みなのか
4 元号・六曜
第8章 日本では終活が盛んときいたが(問芝志保)
1 終活とはなにか
2 終活ブームの担い手
3 エンディングビジネスの成長
4 終活と宗教のこれから
第9章 日本の墓とはどんなものか(問芝志保)
1 お盆は家族で墓参り
2 さまざまな世界の墓
3 日本の家墓
4 日本が抱える墓問題
第10章 日本の政治と宗教の関係はどうか(高尾賢一郎)
1 近代における政治と宗教
2 西洋の政教分離
3 イスラームは政教分離か
4 日本の事例を考える
第11章 学校に「宗教」の時間はないのか(岩田文昭)
1 政教分離の下での宗教教育
2 宗教教育の類型
3 畏敬の念と宗教的情操
4 外国の宗教教育
第12章 日本人は戦死者をどのように追悼してきたのか(赤江達也)
1 靖国神社とはなにか
2 戦後の靖国問題
3 政教分離の問題
4 海外の事例とこれから
第13章 天皇制とはなにか(永岡崇)
1 天皇の祭り
2 「現人神」の時代
3 天皇と神と仏
4 象徴天皇制の宗教性
第14章 新宗教とはなにか(永岡崇)
1 現代日本の宗教アレルギー
2 庶民の宗教
3 生命主義的救済観
4 新宗教は今?
第15章 日本の大学に危険な宗教サークルはあるのか(永岡崇)
1 危険な宗教はどれですか?
2 「カルト」とはなにか
3 「洗脳」再考
4 「カルト」と私たち
第16章 キリスト教はどのように受容されているのか(赤江達也)
1 キリスト教はどんな宗教か
2 日本におけるキリスト教
3 近世社会とキリシタン
4 近代日本のキリスト教
第17章 イスラム教徒用のレストランはあるのか(碧海寿広)
1 食と宗教
2 イスラームの場合
3 食と日本人
4 グローバル化と食文化
第18章 日本の宗教は苦しむ人をたすけているか(葛西賢太)
1 傾聴する宗教者
2 刑務所で話を聞く教誨師
3 緩和ケアを支援する宗教者
4 なにを聞くのか、役に立つのか
第19章 坐禅する外国人が多いのか(末村正代)
1 伝統宗派としての禅宗
2 禅宗から禅思想へ
3 禅からZenへ
4 禅と日本文化の関係
第20章 日本人はどんな瞑想をしているのか(葛西賢太)
1 習い事をモデルにした「朝活禅」
2 内観という自己理解の方法
3 マインドフルネスと医療
4 変性意識状態としての瞑想
第21章 なぜオカルトブームが起こるのか(大道晴香)
1 オカルトとはなにか
2 戦後日本のオカルトブーム
3 ブームの社会背景
4 オカルトブームの終焉
第22章 日本の神話や物語にはどんなものがあるか(大澤絢子)
1 日本の神話はどう読まれてきたか
2 古典文学のなかの仏教
3 近代の文学と宗教
4 宗教とメディア
第23章 東アジアとの関係はどうか(川瀬貴也)
1 大陸からの宗教の伝来
2 台湾・中国の宗教状況
3 韓国の宗教状況
4 韓国のキリスト教
第24章 日本の僧侶は結婚しているのか(碧海寿広)
1 日本仏教の特異性
2 仏教の日本化
3 戒律と日本の僧侶
4 日本仏教を評価する
第25章 女人禁制とはなにか(碧海寿広)
1 女性は土俵に上がれない?
2 宗教と男女差別
3 男女平等をめざして
4 宗教と女性のゆくえ
第26章 水子供養とはなにか(鶴真一)
1 亡くなった子のために
2 中絶の歴史
3 水子供養のブーム
4 中絶に対する考え方の違い
第27章 クローン人間をつくっていいのか(鶴真一)
1 いのちを「つくる」
2 いのちを「つくり変える」
3 宗教と生命倫理
4 いのちの未来
第28章 人は縄文時代のなにに惹かれるのか(岩田文昭)
1 縄文時代の人気
2 枢軸の時代と宗教の進化
3 新霊性運動・文化
4 宗教と自己形成
おわりに
参考文献
索 引
執筆者紹介
最後に「縄文」が来ているのが、非常に効いています。これはみんな不思議に思いながら、なかなか客観視・言語化できないところで、勉強になります。
「なるほど、なるほど、この方にはこういう引き出しもあるのか」などと思いながら拝読するのも、それはそれで乙かと。