2020年01月22日 (水)

今日のお題:飯森明子先生よりご編著『国際交流に託した渋沢栄一の望み:「民」による平和と共存の模索』(ミネルヴァ書房、2019年10月)をご恵贈賜る。

飯森明子先生よりご編著『国際交流に託した渋沢栄一の望み:「民」による平和と共存の模索』(ミネルヴァ書房、2019年10月)をご恵贈賜る。ドイツではまことにお世話になりました。重ねて御礼申し上げます。

国際交流に託した渋沢栄一の望み:「民」による平和と共存の模索 | 飯森明子, 見城悌治, 井上潤 |本 | 通販 | Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4623086585

「渋沢栄一と「フィランソロピー」」シリーズも、もう3冊目になりました。で、今回は国際交流という渋沢生涯の大きな課題であります。

渋沢と申しますと「民間外交」と言うことになりますが、吉田松陰辺りに言わせますと「人臣たる者に外交無し」(『礼記』)というところでありまして、なかなか、「民間」と「外交」というものが結びつきません。

「いやいや、「外交」というはdiplomacyの翻訳語じゃないんだよ、キミぃ」と仰る方もおられますでしょうが、「外の交わり」と訓んでも、まぁ結果は同じであります。

元首レベルにおける「外の交わり」を正しくなすべきだ――と主張して、天皇親政へと突き進んだ人間と、「打破官尊民卑」を掲げて、民のレベルにおける「外の交わり」を説いて明治日本を生き抜いた人間との違いだと申せます。

まぁ、松陰先生も、藩の次元においては、ずいぶんと自由な「外の交わり」をしていたと思いますが。

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【目次】
序章 排外主義から国際主義へ(飯森明子)

第I部 平和と共存に向けた「フィランソロピー」活動へのまなざし
 第一章 日本の国際化と渋沢栄一の「国際道徳」(櫻井良樹)
 第二章 渋沢栄一にとって英国とは何か(木村昌人)
 第三章 渋沢栄一と米国のフィランソロピー(中嶋啓雄)

第II部国際交流活動における日本の実践
 第四章 博覧会と渡米実業団の交流 (ジェファー・デイキン(Jeffer Daykin)[翻訳・飯森明子])
 第五章 民主化潮流と国際通信社設立への思い(高光佳絵)
 ・コラム1 渋沢栄一のブラジル植民事業支援(名村優子)
 第六章 日本国際連盟協会と新たな国際問題への姿勢(飯森明子)
 第七章 大災害支援にみる渋沢栄一と国際社会(飯森明子)
 ・コラム2 アルメニア難民救済と渋沢栄一の慈善事業(メスロピャン・メリネ)

第III部国際主義の体現とその限界
 第八章近代日朝関係における渋沢栄一の役割とその継承者たち(金明 洙)
 第九章中国メディアによる報道と渋沢栄一のジレンマ――一九一四年の中国訪問を手掛かりに(于臣)
 ・コラム3 渋沢栄一と汎太平洋同盟(飯森明子)

付録渡米実業団(一九〇九年)関係資料
人名・事項索引

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