日本コラージュ療法学会発起人代表 森谷寛之(京都文教大学)
新しき出会いを求めて
日本において森谷がコラージュ療法に関する最初の公式学会発表(1987年12月)から20年余りが経過しました。コラージュ療法は,その方法の明確さ,簡便さの故に広く知られるようになりました。日本各地のクリニック,大学,大学院ではかなりの量の心理臨床実践報告,卒業論文や修士論文でコラージュ療法のテーマが扱われています。これを受けて日本各地で自然発生的に研究会が立ち上がり,活発な研究活動がなされてきました。それぞれが地域の人脈,特色を生かした発展がなされてきています。私は,それらがどのように発展していくのか,また,当初私にも意図しなかった新しい試みが出てくるのを楽しみにしておりました。
これまで各地の研究会はそれぞれが独立して活動を続けてきました。これは逆に言えばバラバラな形の展開であったのです。このような中で,2006年8月にコラージュ療法に関心のある日本全国の人たちが集まる会(第1回コラージュ療法全国研究・研修大会)が京都文教大学で開催されました。第2回は2008年12月6日,7日に長崎大学で,西村喜文先生を中心に長崎,広く九州の人たちの援助を受けて,開催されました。全国から約130名の参加者があり,深い交流がありました。
このような経験をもとに,次は学会としての組織を作ろうと話し合われました。そして設立の趣旨と会則が練り上げられました。そして学会発起人24名の賛同を得て,2009年3月21日,発足の運びとなりました。これからは全国的な組織ができることで情報が共有され,さらに発展することが期待されます。
これまで人知れず地道にコラージュ療法の研究や実践をされてきた人たちが,学会という集まりの場で,新しき出会いを得て,友情を深めることができるでしょう。このような人と人の交流を通じて,情報が交換され,研究はさらに洗練していくことでしょう。それがひいては多くの人の心の健康に役立てることになると信じております。
新しき出会いと発展を期待しております。頑張りましょう。