文学部 英語英米文化学科 4年
豊吉里菜さん
金城ならではの
穏やかな校風と
英語を極められる環境
私は中学校、高校と金城に通っていました。そこで感じていたのは、穏やかでのびのびとした校風。進学しても、この雰囲気の中で学びたいという思いが強く、大学も金城を選びました。
また、子どもの頃から海外のテレビ番組や映画、音楽が大好きでした。中でもアメリカのアニメ制作会社が作るコメディ番組をよく見ていて、登場する俳優や歌手についてインターネットで調べるようになりました。驚いたのは日本語と英語での検索結果の違い。あるとき、番組に出演していた子役を検索したところ、日本語の検索結果は子ども時代の情報ばかりでしたが、英語では大人になった現在の情報も含め、その情報量が圧倒的に多かったのです!言語を変えるだけで得られる情報がこんなにも違うのか、と衝撃を受けました。そこから、英語の勉強に、熱が入るようになりました。
そしていつか英語のスペシャリストになりたいと思うようになり、金城への進学を決めていた私は、様々な実践的プログラムが整っている、英語英米文化学科を選びました。
英語英米文化学科では2年生になると、英米文化研究、英語研究、どちらかのコースを選択できるので、英語の技能に加えて自分が興味のある文化や言語学について深く探求することができます。
私が選択したのは言語学を学ぶ英語研究コース。英語という言語の仕組みを考えたり、英語と日本語の違い、コミュニケーションなどの観点から、英語の本質を掘り下げます。
また、ゼミでは「語用論」を研究しています。これは人と言葉の関係、話し手が発した言葉の意味を聞き手がどのように解釈するかを研究する学問。きっかけは海外留学でコミュニケーションの重要性に気づいたからです。ちなみに私のテーマは「褒め言葉とセクハラの違い」。褒め言葉として言ったつもりが相手の受け取り方でセクハラになることもあります。どんなときに?その境目は?など、様々な角度から追究しています。
留学で実感した
コミュニケーションの
大切さと面白さ
英語英米文化学科で1年間勉強した私は、海外で学びを深めたいと思うようになりました。そして、1年次が終わって5月から12月の間、1年間休学してニューヨークの大学へ留学。到着後は、英語を学ぶために2ヶ月ほど語学学校に通い、その後は大学でジェンダー(※)について学びました。
最初の語学学校には、大学院で法律や医療などの分野を学ぶ際に必要となる、高度な語学力を身につけるために通う学生も多く、そのレベルはとても高いものでした。そこで揉まれることで、私の語学力は大きく上達しました。そしてエジプト、ラオスといった初めて接する国の学生も大勢いて、彼らと英語でコミュニケーションを取り切磋琢磨できたことも、とても良かったと思います。
その後は大学でジェンダーを学びましたが、ジェンダーへの関心については、中学校、高校を女子校で過ごしたことが、大きな影響を及ぼしていると思います。学校内での接点は女性が圧倒的に多く、性別を意識する機会は、ほとんどありませんでした。しかし大学に入学し、アルバイトなどで社会との接点が増えると、女性のあり方を考えさせられる場面が多くなってきました。そうした中、海外から届くニュースや映画などに見られる女性の姿が日本とは違い、とても先進的に映りました。これを確かめて学びたいという思いが、留学を決意した理由です。
アメリカで印象に残っているのは、生徒が自身の差別を受けた体験を基に意見を述べることが多かったこと。隠しておきたいことでも、はっきり言うその姿勢には、真剣さが強く感じられ感銘を受けました。
そして2年後、今度はイギリスの大学に交換留学。私は留学生専用の学部コース“International Business Communication ”に編入し、ビジネスを中心に学びました。これはデュアルディグリーといって、金城とイギリスの大学、両方の学位が与えられるプログラムで、無事学位を授与していただきました。
ここではグループワーク形式の授業が取り入れられており、フランス人、スペイン人、中国人とのやり取りが多かったのですが、国によるコミュニケーション方法の違いを感じる場面が数多くありました。
特徴として、私が一緒になったフランス人、スペイン人は意見をはっきり言いました。それに対して、中国人はあまり意見を言いません。アジアは主張せず察する文化、ヨーロッパは言って伝える文化、と聞いたことがあります。私はどうしていたかと言うと、主張の激しいヨーロッパ勢をまとめたり、中国から意見を引き出したり、間に入って橋渡し役をしていました。コミュニケーションの面白さと大切さを気づかせてくれた、貴重な体験でした。
※社会的意味合いから見た、男女の性区別
人権をはじめとした
さまざまな問題を
解決したい
金城の良さは、あたたかい雰囲気の学生や先生に囲まれて、自分が好きなことを、のびのびとできることだと思います。私の周りでは、客室乗務員になりたい、商社で働きたい、通訳者になりたい、といった夢を話してくれた友人が、その夢をかなえるために一生懸命努力して、実際に夢を叶えています。また、先生方も素晴らしい方ばかりで、私の話をいつも真剣に聞いてくれ、的確なアドバイスをくださいます。そんな人たちが刺激となり、自分も頑張ろうと思うことができました。やりたいことが見つかっていなくても、周りからの刺激で見つけることができる、見つかっている人は、周りの応援で頑張ることができる、金城はそんな場所です。
私自身の4年間での成長の一つは、タイムマネジメント力が鍛えられたこと。入学当初は、勉強も、クラブも、アルバイトも、留学も、ボランティアも、と欲張りになり、詰め込みがちだったのですが、優先順位を決めて低いものは休むなど、時間配分を見直すことで無理のないスケジュールに調整。これによって自分を見つめることが多くなり、自分が大切にしたいことや本当にやりたいことについて考えられるようになりました。
将来は留学で伸ばした英語力と、異文化コミュニケーション能力を生かしたいと考えています。そして、大学で学んだ知識や留学を通して出会った様々な人たちから学んだ考え方を日本にも広めて社会に還元できれば嬉しいですね。
卒業を控えて今は、東京に本部を置く国際人権団体のインターンシップと両立しながら、ゼミでの研究に励んでいます。卒業後は、イギリスの大学院に進学し、人権について学ぶ予定です。中でも私が取り組みたいのは、ビジネスに関わる人権侵害です。これは日本国内だけではなく、海外進出している企業でも起こりうることで、それらを解決する一端を担い、多くの人の役に立てればと考えています。
- 留学・思い出のアイテム
帽子に書かれた「Feminist」の一言で、
コミュニケーションが始まる
アメリカ留学中に一目惚れして買った帽子です。最初はこれを見た人の反応が怖くて、かぶるのを躊躇していましたが、かぶってみると思ったよりも周りの反応が良く、海外では「いい帽子だね」と褒めてもらったり、日本だと「どんな意味があるの?」と、フェミニズムについて考えてもらうきっかけになったり、今ではとても気に入っています。この帽子をかぶって、日本のフラワーデモや、イギリス留学時の国際女性デーのイベントに参加したので、思い出もたくさん詰まっています。これからもたくさん勉強して、この帽子を自信をもってかぶれるようになりたいですね。
英語のすべてを学び、英語で世界を広げていける人に。
少人数制・習熟度別授業で高度な英語運用能力を養成。英語圏の文化も研究するのが英語英米文化学科です。独自の英語統合カリキュラムでTOEIC L&R800点以上を目指し、英語スペシャリスト養成プログラムでは多数の学生が900点以上に達します。英語スキル科目は習熟度別の少人数クラスで開講しているので、個々のレベルに応じて着実に力を伸ばすことができます。その他、航空業界をめざすエアラインプログラム、子どもたちに英語を教える先生をめざすキッズ・イングリッシュ・プログラムといった実践的プログラムを設置しています。また、留学費用を全額サポートする通訳翻訳留学プログラムも用意しています。
この学科では、英語圏の言語と文化を専門的に学んでいく中で、広い教養と柔軟な思考力が養われます。これらの力を手にして、世界に羽ばたく女性を目指しませんか?
掲載の内容は取材当時のものです。