世界は広い。だからこそ価値観は一つじゃない
私が留学を決めたのは、日常的に英語を話す環境に身を置くという目的に加えて、自分がマイノリティ(少数派)な存在になる経験をしたかったからです。日本にいれば多数派の存在なので、今まで自分のアイデンティティと向き合うことはありませんでしたが、母国から出て「外国人」として捉えられたとき、自分のアイデンティティって何なんだろうと考えるようになりました。そのため、アメリカのような多国籍の人々が集まる国で、自分はどんな存在なのかを自覚したいと考えていました。
そして、留学を経て気づいたことは、「世界は広い。だからこそ価値観は一つではない」ということ。人種や年齢、思考もさまざまな人々に囲まれた生活を通して、価値観の違いを理解し受け入れ、認め合っていくことが大切だと強く感じました。こうしてお互いに尊重し合うことの大切さを学んだことで、客観的に物事を捉えるようになり、相手の態度や言葉の背景を想像する余裕や、自分の選択に自信を持てるようになりました。
留学中にはこんなこともありました。高校生の時は皆勤賞をとるほど健康だった私が、滞在中に高熱で寝込んでしまいました。身体的にも精神的にも辛かったのですが、寮の友人たちが薬を買ってきてくれたり、ご飯を作ってくれたりして、友人たちの心強さを改めて感じ、涙が出たのを覚えています。
また、アメリカ人のルームメイトにも感謝しています。彼女は過去に来日した経験から、日本のアニメや言語など、日本に興味を持っていました。そのため、すぐに打ち解けることができ、休日には、彼女の車で出かけたり、高速バスで違う州まで旅行をしたりしました。そして、慣れない環境、慣れない言語で生活をする中で、彼女はなくてはならない存在になっていきました。
留学では、思い通りに行かないことも多く、今までにない不安や孤独を感じたこともありました。でも、乗り越えられたのは、「自分ならできる。決めたことはやりきる。」という気持ちを持っていたから。もちろん、周りの助けが必要なときもありましたが、自分に限界を決めずに挑戦する気持ちを、これからも忘れずにいたいです。
留学は、行く場所は同じでも、経験することは人それぞれ。人生の財産になるような経験に繋がるチャンスや、刺激を受ける人々に出逢える機会も、自分の行動次第で無限大です。言語以外にも得られるものは沢山あるので、自分に限界を決めずに色んなことにアンテナを張り、留学生活を充実させてください。
文学部 英語英米文化学科 4年関口 未愛 さん
Profile
旅行好きの両親がよく海外旅行に連れて行ってくれたこともあり、物心ついたときから海外への憧れや興味を持っていました。そんな中、中学校2年生のときに市の海外派遣団として行った2週間のイギリス留学が、英語学習と長期留学の一番のきっかけとなりました。その留学では、自分の英語力不足でホストファミリーや現地学生と上手くコミュニケーションがとれず悔しい思いをしました。そんな私に対して、言語の壁を忘れるほど実の家族のように可愛がってくれたホストファミリー(7年経った今でも連絡を取り合っています)と、次会うときには自分の言葉で沢山会話したいという思いが私の原動力になっています。
紹介します!私の宝物
-
- 休日には、寮のみんなと出かけたり、ボウリングやカラオケをしたりしました。時間も忘れて楽しんだ後、心地いい疲労感と幸福感でベットに飛び込むのが幸せでした。
-
- 寮の屋上から見える景色です。近くにある空港を行き来する飛行機や、海を一望できるこの場所が大好きでした。天気がいい日には、ここで課題を仕上げていました。
-
- 2020年1月の中旬、ベルビューカレッジで行われた日米友好成人式に、記念すべき一回生として参加しました。日本の伝統的な式である成人式を、アメリカでお祝いするのは不思議な感覚でした。
-
- 現地で受けた講義の中で、一番印象に残っているのはStarbucks Programです。私が専攻していたホスピタリティについての知識に加えて、シアトル発祥であるStarbucks Coffeeの魅力を学びました。これがきっかけとなり、帰国後はスターバックスでアルバイトを始めました。